8050問題は引き籠り対策で解消?80代と50代の親子が抱える問題とは
日本人の平均寿命は80歳を超え、長寿の国になっているのは素晴らしい事ですが、その反面色んな問題を抱えているのも事実です。
社会問題にもなっている引きこもりですが、この引きこもりと、長寿化とが組み合わさって8050問題になっています。
8050問題とは一体何が原因で、どんな問題なのでしょう。
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8050問題とは
子供の頃に引き籠りになってしまった我が子が、いつまで経っても引き籠りから抜け出せず長期化すると、子供も大人~中年になり、当然親も年を取りますから、今度は親が介護が必要になる年齢になってしまいます。
親も定年になり収入が無くなり、引き籠りの子供を養えなくなり、自分が介護が必要になるが、面倒を見てもらうはずの子供は引き籠りで無収入の為、どうにもならなくなってしまいます。
この状態は親が80代、子供は50代ぐらいになりますので、8050問題と呼ばれていて深刻な社会問題となっています。
中高年の引き籠り数
中高年(40~64歳)の引き籠りの人数は約61万人超と言われていて、更にその下の世代(15歳~39歳)は約54万人と言われています。
今8050問題と言われていますが、15歳~39歳の引き籠り数を見ると、この先もずっとこの問題が長期化されることがわかります。
中高年の引き籠りの期間は7年以上になっているのが約50%にもなり、中高年になると社会復帰できる確率も下がりますます引き籠りが長期化されてしまいます。
8050問題の深刻化
中高年引き籠りが長期化すると、様々な問題が起こっています。
80代の親が年金やわずかな貯蓄で自分の生活と、引き籠りの子供の生活を支えているケースが多く、子供が中高年で仕事が見つからず孤立してしまうのでどうしても生活が困窮してしまいます。
親の年金が頼りの綱の生活になってしまうと、親が亡くなっても年金欲しさに死亡届を出さず年金を受給し続け生活しているケースもあり、死体遺棄容疑で逮捕される事案もあります。
8050問題への行政支援
厚生労働省もこの問題を放置しているわけでは無く、各自治体に相談窓口を設け対策しています。
当初は子供(若年層)の引き籠り対策、支援が目的でしたが、中高年の引き籠りも問題になっていた事で、2009年には対象年齢に制限をなくしています。
世間体もあってか行政の支援を拒むケースも多く、勇気を出して相談に行っても、支援者側の理解不足で理解を得られず相談を嫌がる事もあり、約40%の引きこもり経験者、家族が行政などの支援を中断しています。
海外でも引きこもりの問題があり、イギリスでは900万人以上の成人が孤独を感じており、イギリス政府は「孤独担当大臣」を設置しています。
一度引き籠ってしまうと、中々社会復帰が難しいのが現状です。
大きな問題が起こる前に、まずは勇気を出して行政に相談に行く所から始めるのが良いのかもしれません。